宝塚~蓬萊峡~船坂峠方面~宝塚
参考:歩行距離 約16km、標高差 1m(累積標高+1152m, 累積標高-1151m)、時間 約5時間30分(休憩・停止時間含む。歩行距離は歩き始めの宝塚駅から)
参加 : 自分だけ
芦屋ロックガーデンを初めて歩いたとき、一目で記憶に残った谷を挟んだ隣の尾根に見えた白い山肌は、あとでそれが万物相と呼ばれるところと知る。
やがて、裏六甲にもこれに負けず劣らずな蓬萊峡という場所があることを知って久しいが、どっか歩きに行こうと思う時ここを忘れているのか今まで行ってなかったことを今日は思い出し、運動がてら蓬萊峡から船坂峠方面へ歩いてみた。

■ 宝塚駅~しるべ岩バス停 まで
蓬萊峡へはJR・阪急 宝塚駅の阪急バス2番乗り場から蓬萊峡経由の有馬行きに乗り、「しるべ岩」バス停で下りるのが都合がよいことは知っていたが、時間までは知らず、バス停まで行ったところで次のバスまで20分くらいあることがわかる。
、、、すぐに歩きはじめても途中でバスに追い越されるとは思うけど、歩けない距離でもないかなと思って歩いて向かうことにする。
国道176から県道51に入ったところでバスに抜かれた。県道51は路肩がほとんどないに等しいところもあって車の往来が怖いことを忘れてたことを後悔する、、、県道51の歩きはオススメしません。
「しるべ岩」バス停までたどり着いた。バスの時刻表(有馬方面行き)を見てみると、バスは 12:21 に通過したらしい。バスより20分遅れ。宝塚でバスが出る20分くらい前に歩き始めたので40分くらいで約4kmの道のりということか。


バス停からすぐのところから。曲線で形成される蓬萊峡堰堤の向こうは座頭谷方面。


■ しるべ岩バス停~蓬萊峡広場まで
実はこれまで漠然と蓬萊峡ってこのあたり?・・とは思っていたが、どこを指すのかよくわからず調べていたら、座頭谷を流れる座頭谷川と交わる大多田川を遡行すると蓬萊峡広場(?)なるものがあるらしく、なんだか優し目なネーミングだけどどんなとこなんだろうと思って行ってみることにした(写真1枚目のところ)。更に調べていると、遡行しなくても行けそうだったので今回はそちらから行ってみることに。バス停から県道を有馬方面に5分ほど進んでいくと「県道宝塚唐櫃線 カーブNo 8」の看板のあるカーブから入ることが出来た。

と言ってもゲートの先は何かの施設のようで、気持ち遠慮がちに通らせてもらう。
歩き進むとしばらくして写真のような場所に出る。何かの施設のようだけど蓬萊峡は左の道を通って川に下ると書いてあり、中まで入って確認するのも図々しいかと思って確認せず左に進む。
※ 右にブルトレが見えているがこのあたりは元々線路が敷設されているわけではないのでどこかから運んできたのだろう、、、

左に進むとまっすぐと左に下りていく分岐にさしかかるが、ここは左で沢に下りる。
沢に出たらところから10mくらい右(川上方向)に進んで渡渉したところあたりから上がっていく踏み跡がある。
沢から上がっていくとそれっぽいところに出た。蓬萊峡広場なのだろう。
地質的なことは知らないが、前方に広がる景観は万物相をもっと険しくしたようなところで迫力ある。
ただ、写真だとどうも迫力とかスケール感を伝えられないのが残念なので棒人間を書いてみました。スケール感の足しにどうぞ(画のスケールが適当すぎてかえって紛らわしいかもしれませんが、、、というのもあるが棒人間に頼らないといけないのも若干淋しいか)

もう少しアップで見ると表面の脆そうな感じが伝わるかもしれない。


足下は風雨で表面が流れ落ちたのだろうか、とても細かい海砂のよう。

■ 蓬萊峡広場~座頭谷の谷道への合流 まで
今日の予定は座頭谷から船坂峠方面に行こうと思っていたが、蓬萊峡は座頭谷とは少し離れているので元来た道で戻るか座頭谷に合流するルートを探すかの二通り。諸々事情があれば別だが基本的に元来た道を戻るのは抵抗あるので探す方に決定する(といっても誰かが残置してくれたテープとかを辿るだけだけど)。
よく見るとその辺のそびえ立つ岩搭を正面から思い切り超えたっぽい跡もあっていろいろルートはあるんだろうなとは思うが、蓬萊峡広場を正面に見て左端のところに踏み跡で道があったのでここを進む。踏み跡、残置テープ、地形の特徴とかから進むとどんどん沢に近づいて行ったので、これは大多田川に下ろされるんじゃないかと思いながら東から南東方向に残置テープや踏み跡がないか見ていると、沢の近くの古い小屋あたりから東方向にいけそうな形跡を見つけたが、先に進むとそこそこな斜度の岩を登るようテープが続いていた。岩の状態を確かめながら三点支持で落ち着いて登れば大丈夫だと思うが結構高さがあるのと、この辺の岩は脆そうという意識が働いてちょっと怖い。
登りきったところから。蓬萊峡広場の北東方向から望む。

岩と岩の重なる辺り、茶色く見えているところが地面でこの岩の登りはじめ。

登りきったところから辺りを見渡すと小さなケルンが2つあった。左のケルンのところを下っていく踏み跡とテープを見つけてここを下る。

紛らわしい残置テープはなかったように思う。踏み跡と残置テープを辿って6分ほどで左手側すぐのところに堰堤のある沢に出た。2枚目は沢側から来た方向を。3枚目は上流に見えた堰堤。



残置テープは沢を渡って少し上流のところに続いていたのでこれを辿る。
沢を渡って1分ほどで座頭谷の沢沿いの道に合流出来た。2枚目は道の合流したところから来た方向を。3枚目は座頭谷の沢沿いの道の少し登ったところに人工物があったので。ちなみにこれはかつてここの砂防工事の際に使われていたのかな?トイレの廃墟(だと思う)だった。



ここから4段堰堤までは普通の登山道歩き。
残置テープも色取り取りで迷うほどある(笑)が道幅も広くて心配になることはなかった。砂防工事の関係なのか、たまに同じような道幅で道が交差する箇所もあったりするが、1枚目:左、2枚目:正面、3枚目:右



・・・と、こんな感じでいろいろテープがついてたりする。どの方面も道幅は似たようなものだが普通の感覚ならここを左に行かないことはないだろう。
しばらく歩くと座頭谷と大谷の出合付近の道端にこの辺りの詳しい情報が載った案内板「兵庫県砂防事業発祥の地」というのが立っていた。ここの地図はハイカーの役に立つ情報が沢山載っていると思ったが、トリミングなど加工するとお叱りを受けそうなのでそのままの地図を紹介させて頂きます(問題あれば消します)。

■ しるべ岩バス停~蓬萊峡~座頭谷の谷道までの地図
動作OK確認済み環境:Win7+IE9, Firefox16
動作不可確認済み環境:Win7+Chrome24
動作OKの環境では黒い5角形部分にマウスオーバーすると写真が表示されますが、動作不可の環境ではマウスオーバーで写真がポップアップせず、地図の後ろに写真がびろーんと縦に一覧表示されて残念な感じになります、、


しるべ岩バス停(有馬方面)

県道51 から座頭谷方面

県道宝塚唐櫃線 カーブNo 8。ゲートをくぐり蓬萊峡広場に向かう

左の道を進んだ先で左に折れて沢に下り、渡渉して10m程上流にある踏み跡をたよりに登ると蓬萊峡広場

蓬萊峡広場。写真は円弧状のクリッカブルエリアの中心付近から180°パノラマ撮影したもの。座頭谷方面には写真左側から向かった

蓬萊峡広場から座頭谷に向かう途中の岩の上から蓬萊峡広場方向。人それぞれ感じ方に違いがあるので難しいですが、この場所への岩登りは3点支持が出来ればそれほど難しくはないと思いますが、踏み外すと建物の3階くらいから落ちることになると思うのでただでは済まないでしょう・・くらいで表現しておきます

座頭谷川に出たところ、進行方向右側(上流)に見える堰堤。渡渉して少し上流にあった残置テープを辿った。

蓬萊峡広場から座頭谷の沢沿いの道に合流点近くのトイレ(きっと廃墟)。

周辺山域の案内板があったところ
■ 座頭谷の谷道~みつばちハニー農場 まで

地図が立っていたところから5分ほどで4段堰堤が見えてきた。堰堤の右岸側(登り方向で左側)の階段を上がる。

堰堤の階段を上がったところ。道しるべが「棚越」に変わったのは座頭谷の核心部に入ったということなのだろうか。

堰堤の上から来た方向を。一番上の堰堤の中は土砂が上まで堆積していた。

お昼は適当な場所で食べようと思っていたがもう14時前なのでここで昼食に。ポットに入れてきたお湯でスープを流し込むが停まると谷筋を通る吹き下ろしの風が寒い。15分ほど休憩して先に進む。
詰めるような感じで上り、堰堤は右岸側を巻いて超えた
お昼を食べたところから15分くらい。多分座頭谷で一番大きい堰堤だったのではないかと思うが、この辺りにも蓬萊峡に似た景色があった。

ちなみに谷から上がるには上のパノラマ左に写っている岩の右の緑のところを登る。
その他このあたりの景観




座頭谷を詰めたところにある残置テープを辿ってこの谷を上がる。谷を上がりきるまでの後半は急登りになるとはいえ谷を上がり始めてから標高差100m・10分くらいだと思えば大したことないだろう。
ただ、道の法面(?)が崩れかけている箇所があったりして滑落したら結構落ちそうなので注意が必要かと思う。
谷を登りきったところ、振り返って登ってきた方向を撮る。2枚目はちょうど登りきったところまでアスファルト道が来ていてアレ?な感じ。方向的にはこっちなのでアスファルト道を進む。


1分もかからないうちにこんなところに。2枚目は1枚目のゲートのあたりから振り返って。左の道から出てきた。他の人のブログでよく見たはちみつ屋(?)はどこなんだろうとずっと思っていたが、こんな位置関係だったのか、、、。この時は冬期休業中なのか無人だった。3枚目はゲートの外から。みつばちハニー農場は棚越新道のだいぶ船坂寄りのところだった。



■ みつばちハニー農場~船坂峠方面~全縦路合流地点 まで
15時。この日の日の入りは 17:14 なので先を急ぎたいが、船坂峠の方に向かう道がみつからない、、、

地形図ではみつばちハニー農場の道向かいから行けそうな、そんな記述になっているが入っていくと、落葉に埋もれた微妙な起伏は道のように見えなくもないが人が踏んだ形跡がほとんどないし、残置テープの類も全然ないのでこれは違うな、、、と思って一度棚越新道に戻って近くを確認したらみつばちハニー農場から少し離れた船坂寄りのところに2本のポールの間にキレイな道があるのを見つけて先に進んでみると木製のプレートに「縦走路、船坂峠」の記述を見つけてここで合っていることを認識する。

遊歩道並みの道に変わる。2枚目は 船坂峠~船坂 の道と合流点。写真は合流地点側から撮影したもので、写真左の奥から手前に向かって登ってきて進行方向左(写真では右方向)に曲がる。


棚越新道を渡ってからの歩きでは残雪を見かけるようになってきた。しばらく歩いていると分岐があり、「樫ヶ峰」が示されたプレートがあったが樫ヶ峰がどこなのかわからず、自分は661の西側を歩いていたこともあり、661が樫ヶ峰なのかなと思ってそちらには行かなかった(後で確認したら樫ヶ峰はずっと宝塚寄りのところだった)。しかしその分岐の先ですぐまた分岐が現れる。下り方向が船坂峠方面だったようだが、ここでちゃんと確認せず間違えて登り方向に進んでしまう、、、。

しばらく登りの後、ほとんどトラバース気味の歩きに変わって「楽だなぁ」と思っているとほかの人のブログ出見た「御成婚記念桧植樹」の碑があった。

等高線を沿うように進むこのあたりはとても楽。降って時間が経った雪だが、全然踏まれてないので雪の感触が楽しめた。

そうしてほぼトラバースな雪道は10分ほどで六甲山全従路に出たところで終わる。
写真奥の方でちょっと右下がり気味に左右に延びる白い帯は全従路。2枚目は全従路側から来た方向を。この道自体に特に案内などはないようだ。GPSの記録では N34°47'36.42 E135°17'28.11


と思ったが、後日写真を確認していたらよく見ると木になにか彫られている。さらにWebで調べてみるとこれは「ハニー農」と書かれているそうなのだが、読めないしこれに気づく人は居ないと思う(街で見る身勝手な落書きと同じもののように感じる)。
全従路の様子。1枚目は宝塚方向。2枚目は船坂峠方向。




4段堰堤。写真で見て堰堤左側に階段があるのでこれで超える

座頭谷の岩の景観。写真は円弧状のクリッカブルエリアの中心付近から180°パノラマ撮影 with 棒人間

座頭谷を上がったところ。来た方向を振り返って

みつばちハニー農場

船坂峠方面へはみつばちハニー農場を出て棚越新道を渡り、少し船坂方向(下り方向)に行ったところにある2本のポールのところから入る

船坂峠~船坂の道に合流点

樫ヶ峰方面への札。ここではこちらへは行かなかったが、この先ですぐ上下方向の道に横から突き当たる形で合流する地点で船坂方面は下り方向のところ登り方向に行ってしまい、結局この写真の樫ヶ峰方面の道に合流してしまった模様

661南側のコルを跨いでそのままトラバースして次のコルにさしかかったところで、ほかの人のブログで知ってはいたけど偶然遭遇した碑。「御成婚記念桧植樹」と書いてあった。

少し雪を被った笹道をトラバース

六甲山全山縦走路に合流
■ 全従路合流地点~宝塚駅 まで
全従路へは船坂峠よりだいぶ東の方に出た。時刻は 15:38 。今日はどこから下山しようかと思っていたがこの位置で日の入りまで1時間半くらいなら宝塚側に下りることにする。
上の方は残雪箇所がそこそこあって用心したが、下りてくるに従い雪もなくなり、ただ帰るためだけの歩きで塩尾寺 16:53、宝塚駅17:25着でこの日の歩きを終了。
■ 今回の地図など


■ 後書きというか、、、
蓬萊峡、座頭谷共特異な景観が神秘的だが地質的には脆いという先入観もあって突然崩れてくるかもという思いからちょっと怖かった。
この日の歩きでは、縦走路に出るまでの間に神戸市が設置している道標「つうほうプレート」はなかった。
曽爾高原2016
隠岐 西ノ島 / 摩天崖~国賀浜 ハイキング
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